「もう限界だ」「明日から会社に行きたくない」──そう思いながらも、無断欠勤(いわゆる“会社を飛ぶ”)だけは避けたいと考える人は多いはずです。実際、会社を飛んでしまうと、金銭面・精神面・キャリア面で後悔が残るケースが少なくありません。
この記事では、会社を飛ばず(バックレ)に、できるだけ揉めず、スムーズに退職するための方法を徹底的に解説します。精神的に追い込まれている人でも「これならできそう」と思えるよう、段階ごとに具体策を提示します。
なぜ「会社を飛ぶ」のは避けるべきなのか
まず前提として、なぜ無断欠勤という選択を避けるべきかを整理しておきましょう。
「もう無理」「連絡する気力もない」と感じた瞬間、会社を飛ぶという選択肢が頭をよぎる人は少なくありません。しかし、それは問題を終わらせる行為ではなく、先送りにする行為であるケースがほとんどです。
会社を飛んだ(バックレ)場合に起こりやすい現実
・上司や人事から連絡が来る
・実家や緊急連絡先に連絡される可能性がある
・離職票・源泉徴収票がスムーズに受け取れない
・懲戒扱いになる可能性がある
・「仕事を飛んだ」という自己嫌悪が残る
無断欠勤は会社側から見ると「安否確認が必要な状態」と判断されることもあり、結果として連絡が増え、精神的な負担がかえって大きくなることもあります。また、退職手続きが曖昧なままになることで、失業保険の申請や転職活動に必要な書類が揃わず、後々困るケースも珍しくありません。
一時的には楽になっても、後処理のストレスが長期間続くのが最大の問題です。
だからこそ、「会社をバックレない辞め方」をあらかじめ知っておくことは、将来の自分を守るための重要な手段だと言えます。
『会社を飛びたい』と思ってしまう人の共通点
「もう行きたくない」「連絡する気力もない」と感じるほど追い詰められたとき、人は「会社を飛ぶ」という選択肢を頭に浮かべがちです。実際、会社を飛びたいと感じる人にはいくつかの共通点があります。
一つ目は、心身の限界に気づく余裕がないまま無理を続けてしまった人です。
長時間労働や強いプレッシャーが日常化すると、「辞める相談」よりも「消えてしまいたい」という思考に近づいてしまいます。
二つ目は、上司や会社に対して強い恐怖心や不信感を抱いているケースです。
退職を伝えたら怒られる、責められる、迷惑をかけると考えすぎるあまり、正式な手続きを踏むこと自体が怖くなってしまいます。
そして三つ目は、「ちゃんと辞める方法」を誰からも教わっていないことです。
知識がないまま追い詰められると、最も簡単に見える“飛ぶ”という選択肢に引き寄せられてしまうのです。
退職前にやっておくべき準備
退職をスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。まずは最低限次のポイントを押さえておきましょう。
① 就業規則・契約内容の確認
退職の申し出期限や有給休暇の扱いは会社ごとに異なります。ルールを把握しておくことで、不利な条件を押し付けられるリスクを減らせます。
② 有給休暇の日数を確認する
有給日数を確認し、退職日までにどう消化するかを考えておくことが重要です。有休の日数次第では出社せずに辞めることも可能です。
③ 私物・個人データの整理
会社に置いている私物は事前に持ち帰り、社用端末にある個人情報や私用データは整理しておきましょう。
④ 退職後の生活の見通しを立てる
貯金額や失業保険、次の仕事の予定を大まかに把握しておくと、安心して退職に踏み切れます。
会社を飛ばずに辞めるための基本原則
どのルートを選ぶにしても、以下の原則を押さえておくことが重要です。
退職に失敗する人の多くは、「辞め方」そのものではなく、考え方の順番を間違えています。最低限の原則を理解しておくことで、無理なく・確実に会社を辞めることができます。
原則① 辞める権利は法律で守られている
日本の民法では、期間の定めがない雇用契約の場合、原則として2週間前に意思表示をすれば退職可能とされています。会社の就業規則よりも、法律(民法)の方が優先されます。
「認めない」「今は辞められない」と言われても、それは会社側の都合に過ぎません。退職は許可制ではなく意思表示制であり、労働者が会社に辞める意思を伝えることで成立します。
原則② 「迷惑をかけない辞め方」に固執しすぎない
真面目な人ほど「引き継ぎが…」「忙しい時期で…」と悩みがちですが、自分の人生を犠牲にしてまで配慮する必要はありません。
引き継ぎは義務ではなく善意の範囲です。会社が回らなくなる原因を、個人が背負う必要はありません。「迷惑をかけないこと」よりも、「自分自身を守ること」を優先していいのです。
原則③ 感情より手順を優先する
退職は感情の問題ではなく、手続きの問題です。感情的に話すより、淡々と事実ベースで進める方が成功率は高いです。
怒りや不安をぶつけると話がこじれやすくなりますが、必要なことだけを簡潔に伝えることで、余計なトラブルを避けることができます。
会社を辞めるルート
① 有給休暇を使い切ってから辞める
最もトラブルが少なく、精神的負担も軽いのがこの方法です。
法律上も実務上も認められやすく、「会社を飛ばずに辞める」うえで最初に検討すべき王道ルートと言えます。特に、有給休暇をうまく使うことで、実質的に出社せずに退職日を迎えることも可能です。
以下に当てはまる人
・まだ最低限出社できる
・上司と最低限の会話が可能
・有給がある程度残っている
手順
1.退職の意思を伝える
2.残っている有給休暇を確認
3.有給消化 → 退職日を設定
有給は労働者の権利なので、原則として会社は拒否できません。
「有給を全部使うのは気まずい」と感じる人もいますが、権利を行使することは非常識ではありません。退職日までの期間を有給でカバーすることで、心身を休めながら次の転職などの準備ができます。
注意点
・「忙しいから無理」と言われても法的には問題ない
・引き継ぎは簡単なメモで十分
完璧な引き継ぎを求められても、応じる義務はありません。重要なのは、退職日を明確にし、淡々と進めることです。
② 体調不良を理由に休職・欠勤から退職へつなげる
すでに心身に不調が出ている場合、無理に出社する必要はありません。
体調不良は甘えではなく、正当な理由です。限界を超えて働き続けることで、回復に何年もかかるケースもあります。
以下に当てはまる人
・朝になると動けない
・不眠・動悸・食欲不振がある
・出社を考えるだけで強い不安が出る
病院の診断書があることで、会社との交渉が一気に楽になります。
ポイント
・心療内科や内科で診断書をもらう
・「療養が必要」という事実を伝える
・回復の見込みが立たない場合、退職を申し出る
診断書は、会社と戦うための武器ではなく、自分を守るための証明です。医師の判断が入ることで、会社側も強く出にくくなります。
ルート③ 退職代行を使って辞める(最短・確実ルート)
「会社と一切やり取りしたくない」という人にとって、現実的かつ安全な選択肢です。
精神的に追い詰められている状態では、自分で連絡すること自体が大きな負担になります。
以下に当てはまる人
・上司が怖くて連絡できない
・引き止めや圧力が予想される
・出社するのが精神的に限界
退職代行の特徴
・自分で会社に連絡しなくていい
・即日から出社不要
・法律に基づいた手続きが可能
第三者が間に入ることで、感情的なやり取りを完全に遮断できます。
注意点
・弁護士 or 労働組合系を選ぶと安心
・料金より「実績」と「対応範囲」を重視
安さだけで選ぶと、対応できる範囲が限られる場合があるため注意が必要です。
④ 退職届を郵送して辞める
直接会う必要はありません。
対面や電話がどうしても難しい場合でも、退職の意思は書面で十分に伝えられます。
以下に当てはまる人
・会話が精神的に無理
・物理的に出社できない
記録が残る方法で送ることで、「言った・言わない」のトラブルも防げます。
手順
1.退職届を作成
2.内容証明または簡易書留で郵送
3.退職日を明記
民法上、意思表示は到達した時点で有効です。会社が受け取りを拒否することはできません。
⑤ 転職先を決めてから淡々と辞める
精神的余裕を確保したい人向けです。
次の居場所が決まっているだけで、退職への恐怖は大きく和らぎます。
メリット
・収入の不安が少ない
・強気で退職を進められる
デメリット
・現職に耐える時間が必要
「次が決まっている」という事実は、最強の精神安定剤になります。
「飛ばずに辞めた人」が後悔しない理由
・書類がきちんと受け取れる
・気持ちに区切りがつく
・次に進みやすい
会社を飛ばずに正式な手続きを踏んで辞めた人は、後になって「ちゃんと辞めてよかった」と感じるケースが非常に多いです。まず大きいのが、離職票や源泉徴収票、雇用保険に関する書類など、転職や失業保険の手続きに必要な書類を確実に受け取れる点です。これらが揃っているかどうかで、その後の生活の安定度は大きく変わります。
また、手順を踏んで辞めることで、気持ちの整理がつきやすくなります。無断欠勤のように突然関係を断つ形だと、「本当にこれでよかったのか」「逃げてしまったのではないか」といった後悔や不安が残りやすくなります。一方で、退職の意思を明確に伝え、自分なりに区切りをつけて辞めた場合、過去を引きずらずに前を向きやすいという違いがあります。
さらに、次の行動に移りやすいことも大きなメリットです。転職活動を始める際や新しい環境に入るとき、「辞め方」に対する後ろめたさがないことで、自然と自信を持って動けるようになります。これは履歴書や面接だけでなく、本人のメンタル面にも大きく影響します。
逃げたのではなく、自分で状況を判断し、選択した結果として辞めたという感覚が残ること。それこそが、飛ばずに辞めた人が後悔しにくい最大の理由だと言えるでしょう。
まとめ|辞め方は人生を守るスキル
会社を飛ばずに辞めることは、弱さではありません。
それはむしろ、自分の状況を冷静に見つめ、これ以上傷つかないために下した現実的で賢い判断です。限界まで我慢し、心や体を壊してしまってからでは、回復にも時間がかかり、人生そのものに大きな影響を残してしまいます。
・辞める権利は誰にでもある
・退職の選択肢を知れば、恐れる必要はない
・一番大事なのは、自分の心と生活
・どのような方法での退職でもケジメをつけることで次につながる
退職は特別な人だけが選べるものではありません。法律上、辞める権利はすべての労働者に平等に与えられています。ただ、その事実を知らない、あるいは知っていても行動に移せない人が多いだけです。正しい知識と手順を知っていれば、「どう辞めればいいかわからない」という不安は確実に小さくなります。
また、会社を優先しすぎるあまり、自分の心や生活を後回しにしてしまう人は少なくありません。しかし、会社はあなたの人生の一部に過ぎず、人生そのものではありません。あなたが壊れてしまえば、代わりはいくらでもいる会社とは違い、あなた自身の代わりは誰にも務まりません。
限界になる前に、現実的なルートを選んでください。
逃げるのではなく、守るために辞めるという選択もあります。自分の心と生活を大切にできる判断こそが、これからの人生を前に進める力になります。あなたの人生は、会社よりもずっと大切です。

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